横须贺鲇子:日本語を教える時に 大切にしていること
文/横须贺鲇子
私が教師という仕事をするうえで最も大切にしているのは、『学生から学ぶ』という姿勢だ。教師はもちろん教えるのが仕事なのだが、教えることを通して学生から学ぶこと、気付かされることは本当に多い。特に外国人として異国の地で教えていると、今まで当たり前だったことが、学生にとっては当たり前でないことを知りびっくりする。
例えば日本語の『な行』と『ら行』を区別して発音することができない学生がいる。注意して見ていると、ある特定の出身地の学生は母語の影響でこの二つの音は非常に区別しにくいことが分かってきた。それから、学生はよく『借りる』と『貸す』という言葉を間違える。不思議に思って同僚に尋ねたところ、中国語では『借りる』も『貸す』も同じ動詞を使うので理解しにくいことを知った。
そんな経験を繰り返すうちに、どうやって教えると分かりやすいか、どんなところが理解しにくいかというのが分かってくる。これはどんな本を何冊読んでも、インターネットで調べても分からない、実際の学生と触れ合ってこそ分かることだ。
なぜ私がこの『学生から学ぶ』という姿勢を大切にしているかというと、それは教師という仕事の性質に大きく関係がある。教師という仕事は人に物を教えるのが仕事なので、つい教えてあげているという感覚に陥ってしまいやすい。人の前に毎日立っていると、自分は偉いとか能力があると勘違いしそうになる。そうすると努力することを怠り、学ぶ気持ちを忘れてしまう。そんな驕った気持ちはいつか必ず学生にも伝わるものだ。学生は一人の人間であり、教師は学生を対等の大人として扱わなければならない。だからこそ私はこの姿勢を忘れないようにしているのだ。
日本人が少ない環境の中で、珍しいからとパンダのように珍重される日々。しかし、そんな中でも決して甘えることなく、よりよい授業をしてきたいと思う。目標は『日本人だからできる授業』ではなく『自分にしかできない授業』をすることだ。
横须贺鲇子:东京都立狛江高等学校毕业,IBS日语学校特聘日本讲师
IBS横须贺鲇子的个人简介:http://www.zhibs.net/teacher/japanese/212.html